
『時花分鶸茶曽我』(はやりやすひわちゃそが)読了 芝全校作 北尾重正画 『江戸の戯作絵本①』ちくま学芸文庫より (女郎の刺青、座頭)

女郎が本気の証に、刺青を入れる。
歌舞伎の『盟三五大切 』(かみかけてさんごたいせつ)を思い出す。
五大切(ごだいりき)信仰だと客に思わせて、まぶの名前(言葉)三五を利用し、盟三五大切と彫り物を加える。
吉原時代の女郎は彫り物をしたり、髪や指を送ったり、血で書いた起請を送ったり、その駆け引きがたいそう広がっていたことを、歌舞伎などで読み取れる。

只今某ドラマでにぎわせている検校。
この取り立てのひどさは並大抵のものではなく、歌舞伎にもなるほどだ。
取り立て時、多くのあんまたちが店先た家の前に立ち並び、ご近所に聞こえるように、鉦をたたき、「金を払え、払え」と騒ぎ立てる。
「払ってもらえませんかねぇ。払ってもらえないんですよぅ」
と聞こえよがしに騒ぎ立てて取り立て、ご近所の手前、払うか食自害するか夜逃げするしか方法はない。
こういった芝居が成立しているが、黄表紙の『時花分鶸茶曽我』(はやりやすひわちゃそが)にも書かれている。
兼業になるには、莫大な金額が動いた。
演目は度忘れしたが、全盲の子を大切に育てていた独り身の大工。
ある日、全盲の子を捨てたのち、子ができなかった実母で店を営む大金持ちに、子をかえしてほしいと頼みに来る。
実母は
「絶対に検校にする。手前には其たくわえがある(要約)」
と言い、大工は全盲の子の将来を見据え、泣く泣く子を実母に返す。
涙ながらの芝居で何度も見たが、仁左衛門丈が上手かった。
このように検校になれば、安泰。
取り立てで最もひどかったのはドラマで出てくる鳥山検校だと、『時花分鶸茶曽我』(はやりやすひわちゃそが)にも書かれていた。
ドラマでは多少鳥山検校は、美化して描かれている。