
知りもしないのに『土佐日記』を少しかじっただけで嫌いだといっていた紀貫之。
だが、本当はどうなのだろう…。
気になって仕方がないので、古今和歌集を開き楽しむことにした。
とりあえず古今和歌集の初めから、紀貫之のものだけを拾って写し始める。
数が多いので、今回は五首のみ。
数は少ないが 歌を読むと、紀貫之のすごさと偉大さが伝わってくる。

やまとうたは、ひとのこゝろをたねとして、よろづのことの葉とぞなれりける。世中にある人、ことわざしげきものなれば、心におもふことを、見るもの、きくものにつけて、いひいだせるなり。花になくうぐひす、みづにすむかはづのこゑをきけば、いきとしいけるもの、いづれかうたをよまざりける。ちからをもいれずして、あめつちをうごかし、めに見えぬ鬼神をも、あはれとおもはせ、お(を)とこ女のなかをもやはらげ、たけきものゝふのこゝろをもなぐさむるは、歌なり。
日本古典文学大系8 岩波

愛知教育大学研究報告,58 2009

ふるとしに春たちける日よめる
袖ひぢてむすびし水のこほれるを春立つけふの風やとくらむ 紀貫之 古今和歌集 春歌 二番
(ふるとしに春たちける=12月のうちに立春が来たのをいう)

雪のふりけるをよめる
霞たちこのめもはるの雪ふれば花なき里も花ぞ散りける 古今和歌集 春歌 九番

歌奉れとおほせられし時、よみて奉れる
春日野の若菜つみにや白妙の袖ふりはへて人のゆくらむ つらゆき 古今和歌集 春歌 二十二番

歌たてまつれとおほせられし時によみてたてまつれる
わがせこが衣はるさめふるごとに野辺のみどりぞ色まさりける つらゆき 古今和歌集 春歌 二十五番

歌たてまつれとおほせられし時によみてたてまつれる
青柳の糸よりかくる春しもぞみだれて花のほころびにける つらゆき 古今和歌集 春歌 二十六番

とりあえず今回はここまで
写真は2月27日 竜田川(たぶん平群町 道の駅近く…?)