
第五十九回 正倉院展
11月5日。
美術館で『シャガール展』をみた後、『第五十九回 正倉院展』をみる。
正倉院展は驚くばかりの長蛇の列。
三十分待ちのプラカードを持った係員が、最後尾で案内しておられる。
以前 大阪市立美術館で開催された『フェルメール展』を思い出す。
『正倉院展』は驚くばかりの人気振りで、団体バスなどでも こられていた。
一緒にみたこどもに、
「正倉院展は人気があるのね。」
というと、、
「そりゃ、そうだ。遠くからでも、大仏に行く感覚で、正倉院展を見に来る人が多いよ。」
と、教えてくれた。
「楽しみにしていたガラスがないんだけれど・・・。」
とこぼすと、こどもは、
「他の展示の面積は毎年こんなものだけれど、ガラスはないね。」
重ねて、
「いつもに比べて、こんなに華やかさのない正倉院展は 初めてだ。」
と、こぼしていた。
こどもは 中高六年間の学校の○○○の関係で、過去にも正倉院展は何度か訪れているらしい。
こどもが 色々と気遣って 説明してくれるが、何しろ、展示物の前には人だかりで、みることも ままならない。
会場内では、
「み終わられた方は、先にお進み下さい。」
と、何度も誘導されていた。
少し待っていたが、どこのガラスの前も 人が動く気配はなかった。
私たちは、できるだけ空いている展示物の方に行き、ゆっくりと眺めることにした。
東大寺ゆかりの仏具があり、
「助六のはじめの、右舞台と花道から 人が来るとき持っている(地面をついている)ものだね。」
というと、
「芝居に関連つけるのは やめてくれる?これは、修二会の時にも使うよ。」
と、まじめ腐った 涼しい答えが返ってくる。
親として恥ずかしいこと、限りなし・・・。
『唐花文様』の宝物も多く、イランなどとの関連性をにおわすものも多い。
文様を確かめていくと、イランの『連花文様』や『唐草文様』『鳥文様』を思い浮かべる物も多い。
木をくりぬいた宝物や 弓という細長い面に 曲芸する人物などを墨一色で細密に描く 高い画技等は中国を思い浮かべる。
天平時代の染織品では美しいものも多く、心が弾む。
文書や経典等は達筆なものが多く、ため息が出た。
記録しきれないくらいに多くの宝物が展示されていたので、この辺りで終わりとさせていただきます。
合掌