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父と夫がプレゼントしてくれた宝物 FABER-CASTELL




中学生の頃、父が色鉛筆をプレゼントしてくれた。
FABER-CASTELL60
紙箱入りの色鉛筆60色だった。
この色鉛筆は、色が重ね塗りでき、立体感と重厚感が表現できる。
私は、FABER-CASTELLに夢中になった。
父は機嫌よくFABER-CASTELL60をわたくしにくれたのだが、何しろ仕事で使用していた色鉛筆。
プレゼントしてくれたあと、速攻、自分用に同じ色鉛筆を購入していた(笑)
高校生、大学生の頃には、見てられないほど短くなったFABER-CASTELL60
それでも、ナイフで削り、大切に使用した。
喜んで使っている色鉛筆を見て、父は喜んでいた。
そして、家庭に入り、夫がFABER-CASTELL120をプレゼントしてくれた。
これは紙箱入りではなく、頑丈な鉄製の箱に三段になって入っている。
紙箱も鉄製の箱も、いずれも深い緑色の箱で、心が落ち着く。
FABER-CASTELL120は色彩豊かで、色を重ね合わせるとさらに多くの、無限を秘める色彩が現れる。
だが、不幸なことに、私は油も水彩も色鉛筆もパステルもアクリルでも、絵を描かなくなっていた。
子育てに追われ、子供をしっかりと育て上げるといったことに重きを置いていた。
そんな暮らしが続き、絵は描けなくなった。
子どもがひと段落付き、俳画を始めた。
絵はそこそこかけたものの、文字が書けない。
ミミズがはった文字とは、まさにこのことだった。
さらに、俳画は習いに行ったのだが、手本を模写しなければならない。
だが、私としては、俳句も絵もオリジナルで描きたい。
俳画はやめた、、、
俳句はずいぶんと凝った時期があった。
メモ帳と季語集を持ち歩き、散歩にいそしんだ。
何度か入選や賞もいただいたが、短歌(和歌)の方が好きだったので、これも続けなかった。
今考えれば、俳句はほぼ毎回入賞していたのに、惜しいことをした。
最近になって、水墨画を始めたが、物の見事に数回でやめてしまった。
ごまかしがきかない。
水墨画は難しすぎると感じた。
後に残った水墨画用品の山。
たった数度のために、数万円を費やした。
少し上等な硯も購入したので、その額は考えるのも恐ろしい。
よく考えて行動しないからだと感じた。
だが、絵は見るのが好きで、好き勝手の画の上をくるくるくるくると目で散歩する。
うまい絵は、いくらでも画面を泳ぐことができ、毎度感心してしまう。
若い頃は絵を描くことも趣味の一つだったので、今となって、絵画を見るのが好きという至福の時間を楽しめる。
今は描かない絵だが、人生、これでよかったのだとほくそえむ。
さて、FABER-CASTELL120
ほとんど使ってないFABER-CASTELL120だが、箱を開けるだけで、夢が広がる。
自分では描けないが、無限の可能性を秘めたFABER-CASTELL120
まさしくFABER-CASTELL120は私の宝物なのだ。
父からもらい、夫からもらったFABER-CASTELL
現在のFABER-CASTELL120はいつも目に届くところに置き、繁く箱を開け、色を眺める。
色彩とは美しい。
自然の色も良いし、FABER-CASTELLの色も絵画の色も良いなと感じる今日この頃。
子どもの頃から、色が好きでよかったとほくそえむ。